最上小国川ダム問題の動向

・ダム事業の協議等の経過

ダム建設の計画は「洪水の心配から解放されたい」という赤倉地区民の声を受けて、昭和62年最上町が県に要望したことから始まった。また当時、小国川漁協が「行政の支援なしには経営がままならない」という状況もあった。近年の豪雨など天候異変の中、洪水の不安から再びダム建設の計画推進が浮上、今年6月8日の漁協の通常総代会で「賛成57、反対46」で県の提案が受け入れられた。同月16日の関係者意見交換会で県都の協定に入ることが話し合われた。その後、4回話し合いが持たれ、8月28日には2回目の意見交換会が開かれた。穴づまりや濁水の対策、内水面漁業振興への支援など具体的な素案についての理解を深めた。

この日、県議会としても意見書を提出、アユの中間育成とサケのふ化のための施設の整備、また最上小国川整流未来振興機構の立ち上げ準備について9月定例会で検討する旨を報告した。

そして、9月28日漁協の臨時総会が開かれ「賛成80、反対29」と漁協権に関する事項の承認に必要な3分の2以上の特別決議を得てダム建設が認められた。約27年を経て本体着工への見通しが付いたこととなった。

・4者が建設推進に向け締結

県と小国川漁協は10月8日、本体工事着手に向けた協定と覚書を締結した。県は年度内に工事の入札を行い、2014年度の着工、18年度の完成を目指す。

協定は県と漁協、最上、舟形両町の4者で結ばれ、覚書は県と漁協が交わした。

協定で県は「流水型(穴あき)ダムを建設する」、小国川漁協、最上町、舟形町は「ダム建設を容認する」とそれぞれの立場を明記。内水面漁業振興については、放流による水産資源の維持と増大、魚類生息環境の保全などを図ることを約した。また生息環境を維持し、その向上のための清流未来振興機構も設置するとした。期間は10年間。

覚書は県と漁協が交わしたが、ダム建設で漁業権のある水域が狭小化してもその漁業補償を漁協は県に要求しないことを確認し合った。漁協は県から漁場環境の調査や監視を依頼された場合は受諾し、一方、県は穴あきダムの穴詰まり対策や濁水対策に努めることなども覚書に付された。

締結式は県庁で行われ、吉村美栄子知事、高橋組合長、高橋重美最上町長、奥山知雄舟形町長らが出席。協定書や覚書にそれぞれ署名した。吉村知事は「流域の人はいくたびもの洪水で苦しんできた。安全安心の確保、地域振興の基盤ができ、ようやく第一歩が踏み出せる。手を取り合い事業に取り組む」と述べた。

高橋組合長は「(本体着工容認は)漁協が一丸となって考えた結果。日本一のアユの川にするのが夢。住民がいつでも楽しめる川づくりをしたい」と強調。地元の要望から着工決定までの27年を振り返り、「(急死した)前組合長に約束を果たしたぞと言いたい」と語った。

高橋最上町長は「長年の懸案だった。感激でいっぱい」、奥山舟形町長は「治水対策と内水面漁業振興を目に見えるよう具現化する」と話した。

締結式は県庁で行われ、吉村美栄子知事は「流域の人はいくたびもの洪水で苦しんできた。安全安心の確保、地域振興の基盤ができ、ようやく第一歩が踏み出せる。手を取り合い事業に取り組む」と述べた。